「公立教員に残業代が出るメリットとデメリットは何?」
「定額廃止案が通ったら給料は上がる?下がる?」
「教職調整額が廃止されたら?」
そんな声にお応えする記事を書きました。

こんにちは、教員のお金の話について発信中!現役教員FPのまめたといいます。
〈まめたの自己紹介〉
- 授業と学校生活が好きな30代現役教師。
- 浪費家時代は、借金とわずかな貯金で不安な日々を経験。
- それから教師の資産形成と金融教育に興味を持つように。
- 勉強の末、FP2級、簿記3級、宅建を一発合格。
- 働く教師向けのお金の教室オープンし、発信中。
- サイドFIREをめざすべく、資産家へ転身中!
- わが家の資産は5年で1000万円突破し、右肩上がり!
教員の働き方や残業代については、これまでもたくさん議論されてきました。
しかし、金銭面を含む教員の労働環境はなかなか改善されていないのが現状です。
毎月の残業時間も平均80時間以上と、日本の教員は苦しんでいます。
そんな中、2024.11.3に政府が公立学校教員の残業代の支給について検討をするニュースが飛び込んできました。
そこで今回は、【教職調整額の廃止】教員に残業代が出たら!?5つのメリットと8つのデメリットについて徹底解説。
☑︎適切に実現できれば、教員の処遇が改善される
☑︎メリットよりもデメリットの方が多い
☑︎今できる対策をしておこう
以下の記事をお読みいただければ、公立教員に残業代が出されるメリットとデメリット、今からできる対策が理解できます。
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公立教員に残業代が出ないおかしな理由〜給特法と教職調整額

公立教員には「残業代」という概念がありません。
給特法という法律で、月給の4%が最初に上乗せされているためです。
まず、2つのポイントを押さえておきましょう↓
- 公立教員に残業代が出ない理由
- 教職調整額制度の改正案(2024年)
公立教員に残業代が出ない理由
月給の4%分が給料に上乗せ
公立教員に残業代が出ない理由に、公立の義務教諸学校等の教育職員の給与に関する特別措置法(以下:給特法)があります。
1971年に制定され、公立学校教員の給与について定めた法律です。(私立学校と国立学校は対象外)
給特法では、
- 教員の勤務時間管理を行うことは特殊性を考慮して不適当
- 休日勤務手当や時間外勤務手当を支給しない
- (残業代を出さない代わりに)給料の月額4%を教職調整額として支給する
と定められています。
たとえば、「月30万円をもらう人には、4%に当たる1.2万円をあらかじめ給料に含めますよ」という話です。

教員の特殊性って?
教員の特殊性
給特法には、「教員という職業は他の労働者や一般の公務員とは異なる職務であり、勤務態様の特殊性がある」と書かれています。
特殊な点は3つ↓
- 学校外の自己研修
あくまで本人の自主性や意欲によるものとみなされる点 - 児童生徒がいない学校休業期間
休もうと思えば休めるし、授業がない分、作業時間が増える点 - 教材研究や授業準備
自己の裁量で時間をかけようと思えば、いくらでもかけられる点
このように、業務や研修に対する時間の線引きが曖昧かつ難しいのが教員です。
教職調整額制度の改正案(2024年)
月給の4%→13%への改正案
2024年に、教職調整額ついて話題になりましたよね。
現行の4%→13%に引き上げようとする案
そもそも4%である理由は、法律制定時(1971年)に参考にした「教員勤務状況調査」で残業時間が月平均8時間だったからです。

学校現場の働き方改革に関する意識調査では、時間外労働が月80時間を超えていたよ?
それこそ、給特法の問題点です。
教員の残業時間が増える一方で、制定されてから約51年も抜本的な見直しがされていないのです。
2021年に対策が出されましたが、依然として状況は変わっていません↓
- 変形労働時間制の適用
労働時間を忙しい時期は長く、忙しくない時期は短くするといった判断を自治体に任せる - 業務量の適切な管理等に関する指針の策定
教員の時間外労働は、命令されたものではない業務が多いので管理していく

実態に合わない法律のもとで働いているんだね。
教員に残業代が出るメリット5選

教員に残業代が支給されることで、予想されるメリット5つ↓
(※民間企業と同じように、適切に実現できると仮定した場合です)
- 教員処遇が改善される
- 休憩時間が確保される
- 始業時間と終業時間が明確になる
- 仕事にメリハリをつける教員が増える
- 管理職が本格的に動き出す
教員の処遇が改善される
残業代が出るようになれば、労働基準法が適用され、教員の働き方が見直されるきっかけになります↓
- 労働環境の管理
- 時間外労働への金銭的保証
管理職による教員の労務管理が徹底され、サービス残業をしていた教員の金銭的保証も増えるでしょう。

民間企業なら、残業代に応じて割増賃金が支払われるもんね!
休憩時間が確保される
休憩時間を確保しやすくなるのも、メリットの1つです。
教員の休憩時間はあってないようなものですよね?
10年近く教員をしていますが、ゆっくり休めている人は少ない印象です。
休憩時間があっても、
- 打合せ
- 研修や会議
- 出張など
が理不尽に設定されることもよくありますしね。
しかし、残業代が出るようになれば、休憩時間に行った労働の残業代を請求できるので状況は一変します。
始業時間と終業時間が明確になる
労働基準法では、始業時間前と終業時間後の労働を時間外労働とみなします。
残業代が出るようになれば、早出勤や定時後の労働時間もカウントすることになります。

教員の労働内容についての裁判もあったよね?
仕事にメリハリをつける教員が増える
残業代が出るようになれば、教員の意識も変わるでしょう。
残業申請が導入されることで、仕事の効率化を考えたり、定時で帰る努力をしたりする人が増えると思いませんか?
職場全体で、残業を減らす流れになれば、業務削減にも積極的になるでしょう。
管理職が本格的に動き出す
教員に残業代が出るようになれば、校長や教頭も動かざるを得ません。
- 学校ごとに残業時間が比較される
- 残業時間が多い学校に指導が入る
- 管理職が残業を減らすように動く
- 教員の業務改善が進む
- 子どもに還元される
うまくいくか心配ですが、労働環境が改善されれば、大きな前進ですね!
教員に残業代が出るデメリット8選

教員に残業代が支給されることで、予想されるデメリット8つ↓
- そもそも実現しない
- 教員の給与が下がる
- 残業手当の予算上限が設定される
- 残業認定されない事例が増える
- 申請手続きの不正が増える
- 教員間の給与格差が生まれる
- 持ち帰り仕事が増える
- 管理職の負担が増える
そもそも実現しない
今回の検討では、残業代の支給がポイントですが、財源確保が問題となります↓
- 廃止した教職調整額分を回す
- 税収を増やす
- その他新たな財源を探す
このような方法が考えられますが、財務省次第です。
もし却下となれば、検討の段階で終わるでしょう。
教員の給与が下がる
残業代の支給にともない、給特法の教職調整額が廃止となれば、教員の基本給は下がります。
現行の4%分だけなのか、さらに減らすのかも気になりますね。
残業手当の予算上限が設定される
残業代といっても、財源が無限にあるわけではありません。
財務省が決めた予算の中で、やりくりする必要があります。
47都道府県ごとの教員の
- 人数
- 年齢層
- 学校種
- 経験年数
これらを考慮した上で、予算の配分が行われ、支給枠ができると考えられます。
支給枠ごとに、国→県→市→地域→各学校となれば微々たるものかもしれません。

多くはなさそうだよね!
残業認定されない事例が増える
残業認定されないケースが増加することも考えられます。
教員の時間外労働として認められている業務は、超勤4項目といわれています↓
- 実習に関する業務
- 職員会議に関する業務
- 非常災害に関する業務
- 修学旅行などの行事に関する業務
この4つについては、時間外労働として認められ、残業代が支給されます。
しかし、埼玉県内の公立小学校教諭、田中まさおさんの判例のように、業務時間外の労働であっても認められないケースが存在します↓

見極めが難しくなったり、校長が「その仕事は命令ではなく、自主的なもの」として認めなかったりするケースが増えると予想できます。
部活も業務ではなく、自主的な活動として学習指導要領で示されており、認められないでしょう。

なかなか厳しそうだね。
申請手続きの不正が増える
公務員の残業は、申請によって受理されることが多いです。
残業時間が改善されずに困った校長が、偽りの労働報告をする可能性も0ではありません。
そうなると、正しく労働時間が計算されず、適切な賃金が支払われないリスクも考えられます。
給与明細には給料の根拠が書いてあるので、日頃からチェックしておきましょう↓
教員間の給与格差が生まれる
時間外労働がどこまで認められるかは不透明ですが、教員間の給与格差が生まれるでしょう。
教職調整額が廃止されれば、
- 役職
- 年齢
- 教員評価
- 経験年数
- 残業時間
などの要素で給料が決まります。
定時で帰っている教員が損をして、残業をしている教員が得することになりかねません。

それは不平等だね…。
持ち帰り仕事が増える
残業代が出るようになると、管理職の対応が必須となります。
配慮のない管理職の中には、
- 自宅に持ち帰らせる
- タイムカードを早めに切らせる
- 業務削減はせず、「帰れ」とだけ言う
このような可能性も十分あります。
教員の負担が軽減されなければ、何の意味もありません。
管理職の負担が増える
時間外労働の管理のため、管理職の負担が増えることは確実です↓
- 教員の残業時間の把握
- 業務削減のための働き
- 県への対応
- 労働に関する勉強
これらは管理職の仕事であり、より強制力が高まっていくでしょう。

先生たちにとっては、うれしいよね。
教員の残業代の有無にかかわらず今できること6選

教員に残業代が出るかどうかは、政府しかわかりません。
待ちの姿勢では、チャンスを逃したり、成長の機会を逃したりしてしまいますよね。
教員が残業代の有無にかかわらず、今からできることを6つ紹介します↓
- 定時退勤する
- 学校種を変える
- お金の勉強をして資産形成する
- 副業に取り組む
- スキルアップやキャリアアップをする
- 転職や独立準備をする
定時退勤する
残業代がもらえても、時間外労働に変わりありません。
- 自分や家族の大切な時間を守る
- 趣味や運動をして過ごす時間
- 副業やスキルアップにかける時間
など、退勤後も充実した日々になるよう、定時退勤にこだわった方がよいでしょう。



学校種を変える
残業代がもらえても業務量が変わらず、精神的な負担や身体的な負担が減らないのは危険です。
教員の時間外労働は過労死ラインを超えており、健康を損なう状況は今すぐ変えるべきでしょう。
1つの方法として、学校種を変えるという選択肢があります。
小中高より残業時間が少ない特別支援学校ついてはこちら↓



お金の勉強をして資産形成する
3,000〜5000万円の資産を築くことができれば、サイドFIREでき、選択肢も広がります↓
- 非常勤で働く
- 異業種で働く
- 独立や起業をする
など、教員に縛られない自由を得ることができますね。
副業に取り組む
副業を行い、収入源が増えるメリットは、
- 稼ぐ力が上がる
- 資産形成が加速する
- 働く時間や日数を決められる
- いつでも辞められる準備ができる
- 本業収入に頼らない経済基盤ができる
が挙げられます。
資産が大きくなれば、精神的にも余裕ができますし、自由な生活を実現できるでしょう。
私も妻と2人で頑張っています。
現役教員でもできる副業はこちら↓


スキルアップやキャリアアップをする
- 動画編集
- ライティング
- プログラミング
- 簿記やFP、宅建など
こうしたスキルや資格の取得もオススメです。
私もこれまで、
- 不動産投資の講座受講
- ライティングやマーケティングの講座を受講
- 宅建やFP、簿記、住宅ローンADの資格取得
などをしてきました。
その結果、家賃収入を得たり、ブログにて月間10,000PVを達成することができました。
資産も年々増えている状況です。

次は社労士になるんだもんね!



転職や独立準備をする
残業代が出ても、教員としての未来に希望が持てなかったり、やりたいことが見つかったりする人もいるでしょう。
私も同じです。
友人や知人にも、教員から転職した人や塾を開業した人がたくさんいます。
そうした方々は、教員をしながらコツコツ準備をされていました。
私も今は、社労士の道に進むべく、試験勉強に励んでいます。

どんな道に進むかは自分次第だもんね!
【教職調整額の廃止】教員に残業代が出たら!?5つメリットと8つのデメリットを徹底解説|まとめ

最後までお読みいただきありがとうございます!
【教職調整額の廃止】教員に残業代が出たら!?5つメリットと8つのデメリットを徹底解説はいかがでしたか?
〈本日のまとめ〉
・適切に実現できれば、教員の処遇が改善される
・メリットよりもデメリットの方が多い
・今できる対策をしておこう
「残業代が出るメリットとデメリットを知ることができた。」
「思ったいたより、改悪される面が多くて驚いた。」
「今からできることをしていきたい!」
などと、みなさんの思考や行動が変わりましたらうれしいです。
ご意見や感想などは、管理人のまめたのX(@mameta_design)までぜひお寄せください。
以上、教員まめたでした。
またお会いしましょう!