こんにちは、教員まめたです。
給料日に事務から給与明細をもらうけど、見方がよく分からない。
給与明細には大事なことが書かれているみたいだけど、どんなこと?
そんなふうにお悩みの方、いらっしゃいませんか?
ここで衝撃の事実をお伝えします。
以前、Twitterで以下のアンケートをとりました。
結果から、約40%の方つまり5人のうち2人が給与明細を読んでいないことが分かります。
- 見方を知らない
- 給与明細書の重要性を知らない
- 給与明細書の見方を学ぶ機会がなかった
こうした要因が考えられます。
そこで今回は教員の『給与明細』の見方について徹底解説していきます。
この記事を読めば、給与明細の数字の意味がわかるようになります!
・教員1〜3年目
・給与明細を見ない
・差引支給額だけ見ている
・給与明細の見方を知りたい
・給与明細の重要性を知りたい
・後輩や家族に教えたい
まめたの自己紹介!!
・現役教師で、授業と子どもたちとの生活が好き。
・しかし、お金の知識不足で貯金できない生活や不安な日々を経験。
・それから教師の資産形成と金融教育に興味を持つように。
・猛勉強の末、FP2級、簿記3級、宅建の一発合格を果たす!
・教師のマネリテUPに役立つ情報を発信しながら、サイドFIREをめざす。
・わが家の資産は右肩上がり中!!
給与明細の見方を知るメリット
給与明細とは
給与の支払額や控除額が記載された通知書
教員のみなさんが最終的にもらうお金は、税金や社会保険料等が差し引かれた後の金額です。
そうした“支払い金額の根拠となる資料“と覚えておきましょう。
見方を知るメリット3選
①税金や保険料の仕組みがわかる
②不備がないか確認できる
③退職金の計算に役立つ
1つ目のメリットとして、給与明細の見方が分かると、税金や保険料が決まるまでの過程を知ることができます。
みなさんの給料からは、以下のようなお金が引かれています。
- 所得税や住民税
- 健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料
- 互助会関連のお金
- 給食費、PTA会費など
これらのお金の意味を知って払うのと、知らないで払うのとでは雲泥の差があります。
2つ目のメリットとして、給与トラブルを回避したり、間違いに気付けたりすることが挙げられます。
給与明細をめぐるトラブルとして、以下のものがあります。
- 不明な天引きがある
- 有給休暇を欠勤扱いにされた
- 残業代が正しく支払われていない
こうした損失はできるだけ防ぎたいですよね!
3つ目のメリットとして、退職金の計算で必要な情報が給与明細に載っている点です。
すなわち、級号級のことです。
詳しくは以下の記事で解説しております。
こんなにもメリットがあるなんて知らなかった!
給与明細の見るべきポイント
総支給額
①基本給②手当③残業代
1つ目の「基本給」は基本的な仕事に対する報酬のことです。
2つ目の「手当」は以下を指します。
- 管理職手当
- 役職手当(〇〇主任など)
- 期末手当、勤勉手当(ボーナス)
- 通勤手当(距離に応じて支給される)
- 宿日手当(寄宿舎などに泊まった場合)
- 教員特別手当(人材確保のために支給)
- 寒冷地手当(北海道や秋田などの地域を示す)
- 住居手当(賃貸アパートなどに住んでいる場合)
- へき地手当(交通状況、経済的、社会的に恵まれない地域)
- 扶養手当(世帯主の配偶者や子どもなど経済的な支援をしている人)
3つ目の「残業代」については教員の場合、教職調整額として4%が基本給に最初から上乗せされています。
総支給総額からどんどん引かれていくんだね!
控除額
控除額とは、給与から引かれる税金や保険料などを指します。
主に「法定控除額」と「所属控除額」の2つがあります。
法定控除額
法律によって差し引くことが義務付けられているもの
ここから代表的なものを紹介していきますね!
共済短期掛金
共済とは次のような組合です。
共済短期掛金は、組合員の病気や怪我、出産、仕事を休んだときの給付金の資金です。
標準報酬短期に4.801%を掛け合わせると求められます(2023年時点)
今回の場合、320,000×4.801%=15,363円と分かりますね。
共済厚生年金保険料
共済厚生年金保険料は、将来の年金の資金です。
平成27年10月1日から、公務員や私立学校教職員が加入する公的年金制度の呼び方が変わりました。
共済年金→厚生年金保険
教員のみなさんは、2号被保険者であり、国民年金と厚生年金の2つに加入しています。
標準報酬厚年に18.3%(被用者年金一元化により決定)×0.5(組合員と地方公共団体が折半する)を掛け合わせる
今回の場合、320,000×18.3%×0.5=29,280円となります。
退職共済年金掛金
退職共済年金掛金とは、退職した後にもらえる年金の資金です。
組合員期間等が原則25年以上のものが退職した時に、65歳以上から支給される年金のことです。
所定の条件を満たせば、65歳未満でも特別支給の退職共済年金を受給することが可能です。
年金制度の公平性・安定性確保するために仕組みが変わったのが、被用者年金一元化です。
標準報酬退職に1.5%(被用者年金一元化後)×0.5(組合員と地方公共団体が折半する)を掛け合わせる
今回の場合、320,000円×1.5%×0.5=2,400円となります。
住民税
住民税は、都道府県民税と市町村民税の2つを合わせたものです。
ポイントは以下の5点です。
- 一律10%
- 源泉徴収される(天引き)
- 前年の収入によって決まる
- 6月から適用される
- 控除額も含めて計算する
所得税
所得税は、得たお金に対する税金です。
ポイントは以下の5点です。
- 源泉徴収される(天引き)
- 1月~12月までの所得に対してその年に納税する
- 累進課税制度(所得の多い人ほど、多く税金を払う仕組み)で5~45%
- 概算で計算されるので、年末調整で過不足分を調整する
- 控除額も含めて計算する
財形
財形とは「勤労者財産形成制度」の略です。
住宅・年金など勤労者の財産形成を促進するために設けられた、貯蓄を税制面から優遇する制度のことを指します。
任意の制度なので、利用している場合は給与から差し引かれます。
介護保険料
介護保険料は、満40歳から引かれます。
介護保険法という法律で、介護保険被保険者のうち、65歳以上の方を「第1号被保険者」、40歳から64歳以下の公的医療保険加入者を「第2号被保険者」と定めています。
介護保険料の計算の方法は、以下の通りです。
例えば、標準報酬の月額が320,000円だとしたら、320,000×0.89%=2,848円(1ヶ月当たり)となります。
互助会関連
互助会とは、相互扶助の精神で会員の福利厚生事業を実施する任意の仕組みです。
次のような場合、給付金が支給されます。
- 病気
- 退職
- 結婚
- 妊娠出産
- 育児休業
- 子どもの入学
- 介護休業
- 死亡
- 天災による損害
詳しいことは各自治体のHPを確認してみましょう!
所属控除額
給食費やPTA会費、親睦会費など
職場でかかったお金を給与から差し引かれるものですね。
他にも生協での支払い代金や組合費なども含まれます。
差引支給額
総支給額ー控除額(手取額)
ここまでで手元に残るお金の流れが見えたね!
級号級
給料と報酬が決まる基準
級については以下のように決まっています。
- 1級→助教諭、養護助教諭
- 2級→教諭、養護教諭、栄養教諭
- 3級→教頭
- 4級→校長
号級については、各都道府県のHPで「〇〇県 教員 給与」などと検索すると分かります。
退職金の話でも出てきたね!
勤怠
勤怠とは、以下のことを指します。
- 勤務日数
- 欠勤日数
- 残業時間
- 有給消化日数
- 有給残日数
教員の方には、あまり掲載されていないのではないでしょうか?
時間外手当の根拠となるので、掲載されている方は確かめましょう。
教員には教職調整額があるから、残業代という概念があまりないもんね!
給与明細書の注意点は2つ
不備がないか確認するべし
☑︎総支給額が適正か
☑︎課税対象額が適正か
不備があるとは、すなわちみなさんが損するということです。
大切な時間と引き換えに得たお金を守ためにも、給与明細を見ることは重要です。
通勤手当が少なく計上されていたことがあったよ!
最低2年間は保管すべし
①失業給付を得るため
②未払いの給与を請求するため
③確定申告時に5年間分の源泉徴収票が必要になることも
④住宅ローン申請のため
1つ目についてです。
失業した場合、失業給付を受けることができます。
その申請の際に、退職前6ヶ月の給与が載った「離職票」が必要になります。
離職票があれば、給与明細は不要ですが、あるとお互いに確認ができますよね。
2つ目についてです。
未払いの給与の請求権の時効が2年と労働基準法にて定められているからです。
3つ目についてです。
確定申告の際に、収入証明書として必要になる場合があるかもしれないため、保管をおすすめします。
4つ目についてです。
住宅ローンとは、家を買うために借金をすることです。
貸す側の心情としては、
この人にお金を貸して、ちゃんと返してくれるかな?
ですので、貸す側を納得させるためにも給与明細が必要になります。
ローン審査時に必要になることが多いです。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます!
教員の『給与明細』の見方についてについての解説はいかがでしたか?
「給与明細の数字の意味がわかった!」
「税金がたくさん取られていることに気付けた!節税しよう!」
「後輩や友人に教えてあげよう!」
などと、みなさんの思考や行動が変わりましたらうれしいです。
教員の給与手当について以下の記事でまとめています。
ぜひチェックしてみてください!
以上、教員まめたでした。またお会いしましょう!
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