「精神的に辛くなって病休をとりたいけど、制度がわからない。」
「病休をとると給料はどうなるの?デメリットは?」
「病休の取り方は?休職中に何をしたらいい?」
そんな声にお応えする記事を書きました。

こんにちは、教員のお金の話について発信中!現役教員FPのまめたといいます。
〈まめたの自己紹介〉
- 授業と学校生活が好きな30代現役教師。
- 浪費家時代は、借金とわずかな貯金で不安な日々を経験。
- それから教師の資産形成と金融教育に興味を持つように。
- 勉強の末、FP2級、簿記3級、宅建を一発合格。
- 働く教師向けのお金の教室オープンし、発信中。
教員として働いていると、身体的に辛くなったり、精神的に追い込まれたりするときがありますよね。
子ども達のためと奮闘しつつも、心身は正直なものです。
心理的な乱れや体調不良は、あなたへのSOSであり、休養が必要なサインです。
現役教員へのアンケートでも、約4割の人が制度について知らないことがわかりました。
そこで今回は、教員の病気休暇と休職のデメリットは?給料やボーナス、取り方を解説について徹底解説。
☑︎お金の不安よりも心身のSOSを優先しよう
☑︎最長3年半の生活保障がある
☑︎病休によるデメリットは7つ
以下の記事をお読みいただければ、教員の病休の仕組みや必要な手続きが理解できます。
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教員の病休数が年間6000人を超える理由

教員の精神疾患による病気休職者数は、年々増加しています。
主な原因として、大きく5つ考えられます↓
- 長時間労働
- 責任の重さ
- 児童生徒との関係
- 保護者との関係
- 同僚との関係
お金の不安よりも心身のSOSを優先しよう
健康に勝る資産なし
私自身、3年目に先輩との関係でとても悩んだ時期がありました。
自分の指導力不足や職場恋愛が気に障ったのか、
- ほぼ無視される
- 児童の前で説教される
- 1つ1つの行動を否定される
このような日々が1年間続きました。
メンタル面は強い方だと思っていましたが、以下のような症状が続きました↓
- 頭痛
- 睡眠不良
- 食欲不振
妻(当時は彼女)の支えや積極的に年休をとったりしたことで、1年間耐え過ごすことができましたが、学校という逃げ場のない状況はとても辛かったです。
私の大学の同期には、保護者対応に苦しみ休職した人もいました。
人は誰だって完璧ではありませんから、精神的なストレスや疲労が、体調不良にも影響してきますよね。

今は大事な時期だから休めない。

もう少しの辛抱だから頑張ろう。
と踏ん張りたくなる気持ちもよくわかりますが、後戻りできなくなる前に休養することが大切です。
このように、心身のSOSを優先した選択をする(積極的に休む)ことは決してマイナスなことではなく、自分を守る前向きな行動といえます。
教員の病休と長時間労働
教員の病休には、長時間労働が大きく影響しています。
授業以外にも部活動や事務作業に追われ、過重労働が常態化している現状が問題となっていますよね。
日教組の「学校現場の働き方改革に関する意識調査」によると、教員の残業時間は月換算で96時間20分とされています。
その結果、疲弊やストレスが蓄積し、健康を損なうケースが増えています。
教員の負担軽減や働き方改革が強く求められているのは、こうした背景があるからですね。
教員の病休と責任の重さ
教員の病休には、責任の重さも大きく影響しています。
- 生徒の学習/生活指導
- 保護者対応
- 部活動指導
など多岐にわたる業務を抱え、そのすべてに高い責任感を求められることが、精神的負担を増大させていますよね。
責任の重さに耐えきれず、ストレスや過労が原因で病休に至るケースが増えています。

一人担任だとなおさら無理しちゃうよね。


教員の病休と児童生徒との関係
児童生徒との関係も病休に関係します。
- いじめ
- 不登校
- 学級崩壊
- 大変な児童生徒の対応
こうした対応も教員の役割ですが、大きなストレスを感じやすいのも事実です。
複数の教員で対応していくことが求められますね。
教員の病休と保護者関係
保護者も教員の病休にかかわっています。
代表的なのが、モンスターペアレントですね。
- 無理な要望
- 厳しい対応
- 信憑性のない噂
- 身勝手なクレーム
- 執拗な学校への電話
こうした保護者の行動が、教員にとって大きな精神的負担となり、病休につながることがあります。
教員の病休と同僚との関係
最後は、同僚職員との関係です。
相性や信頼関係がとても大切ですが、最悪なパターンがこちら↓
- 過重な業務負担
- いじめやパワハラ
- 役割や責任の不均衡
- 同僚からの協力やサポート不足
- コミュニケーション不足や誤解による意見の対立
こうした状況になると、しんどくなってしまい精神的な負担が大きくなります。

病休には、いろいろな要因があるね。
教員の病気休暇・休職のしくみ

教員の病休制度を理解するには、3つのポイントがあります↓
- 病気休暇
- 病気休職
- 傷病手当金・附加金
病気休暇

- 最長90日間
- 精神疾患等なら180日間
- 給料100%もらえる
ケガや病気のために勤務できないときに申請できます。
特徴は以下のとおり↓
- 家賃補助はもらえる
- 通勤/管理職/部活手当はもらえない
- 成人病や結核、交通災害等も180日まで
- 1週間以上の休暇申請には、病院の診断書が必要
- 不妊症、不育症での休暇も取得可能
※申請の際は、各自治体や事務室にご確認ください。
なお、病院の診断書は保険適応外のため、1枚2,000〜6,000円かかります。

約3ヶ月も有給で休めるのはありがたいね。
病気休職

- 最長3年間取れる
- 休職1年目は給料80%がもらえる
- 休職2〜3年目は給料3分の2がもらえる
病気休暇を使い切っても回復しない場合に、教育委員会が指示して取得できる休職のことです。
法令根拠はこちら↓
休職2〜3年目は、給料ではなく傷病手当金・附加金としてお金をもらうことができます。

教員ならみんなもらえるの?
公立の教員かつ共済組合員が対象です。
給与明細をぜひ確認してみてください(くわしくはこちら)↓

傷病手当金・附加金
支給される条件

支給されるのは、仕事を3日間連続して休んだ4日目から
上図のように、自分の出勤状況を確認しましょう。
傷病手当付加金は、傷病手当金の支給が終了した後にもらうことができます。

数え方に注意だね!
支給が停止or減額の可能性あり
以下の給付金をもらっていないか要確認↓
- 別報酬
- 休業補償
- 出産手当金
- 地方公務員災害補償基金
- 障害厚生年金・障害手当金
※傷病手当金・附加金どちらもです。
社会保険は免除されない
- 健康保険
- 介護保険料
- 厚生年金保険料
これらのお金は普段、給料から天引きされています。
しかし、傷病手当金・附加金として支給されるときは、自分で支払う必要があります。
また、納付する社会保険料は標準報酬月額が基準となるため、若干高く感じるかもしれません。
ただし、所得税や住民税などの税金は非課税になります。
※傷病手当金・附加金どちらもです。

これは覚えてなきゃね!
教員が病休をとる際の手続き

教員が病休をとるためには、必要な手続きがあります。
病気休暇、病気休職、職場復帰それぞれについて解説していきますね↓
- 病気休暇
- 病気休職
- 休職延長or職場復帰or転職/退職
病気休暇を取得する

学校に休む旨の連絡をします。
1週間を超えて病気休暇を取得するには、医師の診断書1通が必要となります。
覚えておきたいこと↓
- 精神科や心療内科の初診は予約が取りにくい
- 待ち時間が長くなりやすい
- 病院からの説明に時間がかかる
- 大きな病院に行くには、紹介状が必要
- 診断書は2,000〜6,000円くらい
病気休職を申請する

病気休暇90日間が近づき、復帰か休職かを判断します。
学校とのやりとりは電話もしくは面談で行い、休職を申請するときには、次の書類が必要です↓
- 病気休職願
- 診断書2通
互助会や共済組合にも必要に応じて、各種請求書を提出します。

郵送でやり取りする人もいたよ。
休職延長or職場復帰or転職/退職
ここからは3つの選択肢を考えます。
1つめは、休職の延長です。
教員の休職期間は最大3年間ですが、あくまで医師が必要とみなした期間の休職になります。
再度診断書の提出が求められる可能性があります。
2つめは、職場復帰に向けた準備です。
以下の流れで、教育委員会が実施する職場復帰サポートシステムを受けます↓
- 職場復帰プログラムの文書提出
- サポートシステム実施
- サポートシステム終了
- 教育委員会による面談
- 復帰後の状況把握、視線
くわしく知りたい方は、文部科学省「メンタルヘルス不調による病気休暇・休職から職場復帰までの大まかな流れ」をご覧ください。
休職後、職場復帰せずに転職/退職する人は、下記「教員が病休中にすること5選」にお進みください。
教員の病休のデメリット7選

教員の病休は、本人の健康を守るために非常に大切なことです。
デメリットの数よりもメリットの方が大きく、積極的に取得してよいものだと考えています。
その上で、想定されるデメリットは次の7つです↓
- 児童生徒への影響
- 同僚の負担増加
- 保護者の不安や不満
- 学校運営の混乱
- 長期的なキャリアへの影響
- ボーナスの減少
- 児童手当の減少
児童生徒への影響
担任教員が病休に入ると、授業やクラス運営が一時的に滞ることがあります。
代替教員が入ったとしても、学級運営の一貫性が失われ、児童生徒の学習進度やモチベーションに影響を与える可能性は高いです。

教員不足で代替教員も見つかりにくいしね。
同僚の負担増加
病休に入ったタイミングによっては、代替教員が入れないこともあります。
そうなると、残された業務を引き継ぐ教員がおらず、周りの教員に振られる可能性が高くなります。
一人の病休が、連鎖的に二人目、三人目と広がることも起きています。
保護者の不安や不満
担任教員が病休に入ると、児童生徒だけでなく保護者にも不安や不満を与えます。
とくに、児童生徒の学習環境や安全面に対する懸念が高まり、学校への不信感やクレームにつながりやすくなります。
学校運営の混乱
教員が病休に入ると、その人が担当していた校務分掌や行事、部活動などに影響が出てきます。
場合によっては、予定の変更や調整が必要となり、学校全体が混乱する可能性もありますね。
長期的なキャリアへの影響
病休が長期化すると、教員のキャリアにも影響します。
復職後の業務復帰が難しくなったり、評価や昇進に不利になる可能性があります。
ボーナスの減少
過去半年間の出勤日数で決まる
教員のボーナス(賞与)は6月と12月にありますよね。
- 6月分は前年12月1日〜当年5月31日まで
- 12月分は当年6月1日〜11月30日まで
の出勤日数がボーナスに関係します。
ですので、働けない期間が長くなるほどボーナスは減ります。
実際に計算してみましょう↓

ボーナスについて、くわしく知りたい人はこちらもチェック↓
児童手当の減少
前年度の所得で決まる
2024年の12月から児童手当の所得制限が撤廃されますが、それまでは現行のルールが適用されます。


一部の人は、病気休職により所得が減少すると、次年度の児童手当に影響が出るかもしれません。

当てはまる人は少なそう…。
教員が病休中にすること5選

教員が休職中にすることについて、私が精神的に苦しかった時期や休職した友人から聞いた体験をもとにご紹介します↓
- 休養
- 治療
- 好きなこと
- 学校との連絡
- 転職活動、退職準備
休養
たくさん休みましょう
正義感の強い教員の中には、次のように罪悪感を感じる人も少なくありません。

本当に休んでもいいのだろうか。

学校を休んでしまって申し訳ない。
日々、子ども達のために頑張ってきたのですから、そう思うのも自然ですよね。
しかし、ボロボロになった心身を回復させるには休養しかありません。
- 本を読む
- 映画を観る
- 運動をする
- たくさん寝る
- 美味しいものを食べる
- 旅行に出て気分転換する
子ども達も元気になったあなたに会いたいと願っているはずです。
まずは自分のために十分休養しましょう。
治療
病院の力も借りよう
友人は過度な業務によって、頭痛や食欲不振、集中力の低下などに日々悩んでいました。
しかし病休をとって、休養と治療に専念したことで少しずつ回復できました。
好きなこと
好きなことでリフレッシュ
たしかに、現場を離れる不安や心配もあるかもしれません。
ですが、自分のために時間を使ってみてください。
- 料理をする
- 登山に行く
- お菓子を作る
- ドライブに行く
- 漫画や本を読む
何でも構いません。
リフレッシュできると、心と体も変わってくるはずです。
学校との連絡
電話やメール、郵送で行う
病休に入る教員に対して、学校としても1日でも早い回復と復帰を願っているでしょう。
一方で、学校という組織の運営上
- どのような状況なのか
- どのくらい休みが必要なのか
- 復帰までどのくらいの見込みか
について知りたいのが本音です。
とはいえ、自分の立場から伝えるのは心苦しいはずです。
そのようなときは、医師の診療結果をお伝えするとよいと思います。
私の友人もなるべく最小限の連絡になるように工夫していました。
転職活動、退職準備
- 転職活動はリスク0
- 退職代行サービスもあり

現役教員なのに転職活動っていいの?

はい、問題ありません!!
私も転職サイトに登録→面談までしていました。
転職を視野に入れてよかったことはこちら↓
- 行動力が高まった
- 自分の気持ちを整理できた
- 教員の魅力を再確認できた
- 将来のビジョンを考えられた
- 教員以外の選択肢を知れて安心した
さまざまな転職サイトがありますが、私が登録して利用した転職サイト3選です。
もし、一人での転職活動が不安な人には、転職エージェントへの登録がオススメです。
自分の要望に合った転職相談(無料)を受けることができましたよ。

転職が確実な人なら、退職も視野に入れていきましょう。
管理職との関係が悪く、対応が難しい人には退職代行サービスがおすすめです。
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弁護士が安心対応してくれる
有休消化や退職金もしっかり対応

時間をかけて準備していきたいね。
教員の病気休暇と休職のデメリットは?給料やボーナス、取り方|まとめ

最後までお読みいただきありがとうございます!
教員の病気休暇と休職のデメリットは?給料やボーナス、取り方についての記事はいかがでしたか?
〈本日のまとめ〉
・お金の不安よりも心身のSOSを優先しよう
・最長3年半の生活保障がある
・病休によるデメリットは7つ
「お金の不安が少し軽減した。」
「病休の仕組みがわかり、前向きに取得を考えられた。」
「病休中に体調が回復したら、転職や退職の準備をしよう。」
などとみなさんの思考や行動が変わりましたら、うれしいです。
ご意見や感想などは、管理人のまめたのX(@mameta_design)までぜひお寄せください。
以上、教員まめたでした。
またお会いしましょう!