「部活動の顧問をする教員には、手当や給料はあるの?」
「部活動って時間内労働?それとも時間外労働?」
「部活動顧問の負担が大きくて、正直やめたい。断る方法は?」
そんな声にお応えする記事を書きました。
こんにちは、教員のお金の話について発信中!現役教員FPのまめたといいます。
〈まめたの自己紹介〉
- 授業と学校生活が好きな30代現役教師。
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ずっと世間を騒がせている「部活動問題」。
過剰な残業時間につながる原因として、ニュースやSNSでも話題になっていますよね。
読者のあなたが気になるのは、部活動の顧問がもらえる手当や拒否の仕方ではないでしょうか?
今回は、教員の部活動手当と給料は?負担大でやめたいときの拒否の仕方3選について徹底解説。
以下の記事をお読みいただければ、部活動の顧問がもらえる手当や拒否するための方法3選を理解できます。
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教員の部活動手当と給料
教員の部活動手当を理解するためのポイント↓
- 公立学校と私立学校で手当がちがう
- 教員の部活動手当は劣悪
- 部活動と勤務との関係
公立学校と私立学校の手当のちがい
公立学校:給特法の規定
私立学校:労働基準法の規定
公立学校教員には、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(以下、給特法)が適用されます。
そのため、教育職員については時間外勤務手当及び休日勤務手当は支給されません。
ただし、文部科学省の定める教員特殊業務手当である「部活動手当」が支給されます。
一方、私立学校は労働基準法が適用されるため、時間外勤手当と休日勤務手当が支給されます。
どのくらい部活動手当はもらえるの?
教員の部活動手当は劣悪
自治体の条例で支給要件や手当額が規定
文部科学省によると、部活動手当について次のような指針があります↓
土日等の4時間程度の業務で日額3,000円
すなわち、
土日祝の部活には手当を出すけど、平日は手当は出しませんよ。
という方針です。
でも、平日の朝や放課後の部活動もあるよね?
そのとおり!
- 手当は土日祝のみ(平日分は出ない)
- 時給わずか750円(全国の最低賃金よりも低い)
- 4時間以上を超えても増えない
- 電車代や昼食代も含まれる
こうした金銭的な特徴を踏まえても、部活動顧問にとってかなり劣悪な環境です。
全国の教員の部活動手当
部活動手当は、給与明細の特殊手当(日額)に記載されています。
各自治体のHPより、部活動手当を抜粋した結果↓
どこもほぼ一緒だね!
教員が部活動を負担に感じる5つの理由
SNSやネット上では、部活動に対して「負担が大きい」「やめたい」「やりたくない」「拒否したい」「廃止してほしい」という声が多く挙げられます。
そのように負担を感じる5つの理由↓
- 時間的な負担
- 金銭的な負担
- 精神的な負担
- 身体的な負担
- そもそも部活指導を望んでいない
時間的な負担
時間的拘束が長い
多くの教員が部活顧問として、放課後や休日の対応を強いられています。
日本スポーツ協会の調査によると、「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」で設定された活動時間を守れていない中学校が41.9%、高等学校で74.2%という結果が出ています。
このように、活動時間が長く、時間的拘束が強いといえます。
子育て世代だとなおさら大変よね。
金銭的な負担
平日は手当なし
土日祝も上限額あり
部活動手当が支給されるのは、土日祝のみですので、平日は無賃労働(ボランティア)に近い状況となります。
給特法で月額給料4%分の手当がもらえるとはいえ、部活動による残業が増えるほど、あなたの給料の価値が下がります。
すなわち、時給が下がるってことですね。
部活動の大会に参加すれば、なおさらだよね。
精神的な負担
3つのストレス
部活動顧問が抱えやすいストレス3つ↓
- 安全配慮
- 保護者対応
- 時間外労働
1つ目は、安全配慮です。
部活動顧問には、生徒が安全に活動できるように配慮する「安全配慮義務」があります。
競技の危険性を考慮せず、必要な注意や指導を怠ったとして、ケガをした生徒や死亡した生徒遺族に、損害賠償責任が問われた事案もありました。
2つ目は、保護者対応です。
案内作成や生徒の保護者からの要望やクレーム対応も顧問の教員が行います。
生徒の活動であるにもかかわらず、加熱した保護者の相手をするのは、かなり大変ですよね。
3つ目は、時間外労働です。
部活動があることで残業が増えることは、精神的にもつらいものです。
顧問の先生は大変そう。
身体的な負担
「休息の時間がほしい」
これは「学校運動部活動指導者の実態に関する調査」(令和3年7月)に寄せられた教員の声です。
2023年7月には、富山県中学教諭が過労死し「部活動などによる業務過重」という判決がありました。
このように、部活動によって十分な休息が得られず、身体的な疲労が増えやすいのが現状です。
そもそも部活指導を望んでいない
授業をしたい
中学校や高等学校の教員のほとんどが部活動顧問をしています。
ですが、中には部活指導を望んでいない教員もいます。
たとえば、次のように感じる人もいますよね↓
- 授業をがんばりたい
- 進路指導に励みたい
- 運動経験がなく指導に自信がない
こうした教員が、部活動に負担を感じるのは無理もないでしょう。
部活動顧問を拒否できるの?
部活動を拒否したいときの3つの方法
部活動を拒否するのは、とても勇気のいる行為ですよね。
部活動を拒否した友人の体験談や、「部活動顧問の断り方」の著書から考えられる3つの方法はこちら↓
- 法的根拠を示す
- 個人的な事情を示す
- 奥の手に出る
法的根拠を示す
- 部活動の位置付け
- 超勤4項目以外の時間外労働は命じられない
文部科学省によると、部活動について以下のように示してあります↓
この文面からも、
教育課程外の活動は、教員の本来の業務ではない
といえます。
教員の時間外労働については給特法にて、
校長は法令で定められたもの(超勤4項目)以外について、職員に時間外勤務を命ずることができない。
と規定してあります。
つまり、校長は部活指導のための時間外労働を命じることはできないのです。
※超勤4項目↓
- 生徒の実習に関する業務
- 学校の行事に関する業務
- 職員会議に関する業務
- 非常災害の場合、児童又は生徒の指導に関し緊急の措置を必要とする場合その他やむを得ない場合に必要な業務
このような法的根拠をもとに、「本来の業務を勤務時間内に行うと、部活動に充てられる時間はない」と伝えることができますね。
校長は命令ではなくて依頼しかできないのだね!
個人的な事情を示す
精神的・身体的理由
部活動の顧問をした/することで、あなたの健康が脅かされる事実を伝えましょう。
- 休憩がとれない
- 年休が消化できない
- ストレスチェックの結果
- 通院や医師からの診断書
- 過剰な残業時間による体調不良や精神的乱れ
これらを伝えることも有効です。
友人も健康面での理由を伝えて断れたみたいだよ!
奥の手に出る
- 部活動の縮小
- 処分依頼
あなたの訴えに対し、
管理職の反応はさまざまでしょう。
受け入れてくれる校長もいれば、
「それでは生徒が可哀想。」
「他の教員の負担が増えて困る。」
と首をかしげる校長もいるはずです。
そのようなときの奥の手は、
- 部活動を縮小してほしい
- 公務員の職務違反になるなら処分してほしい
と伝えることです。
本来の業務を超える負担があるのも事実ですし、
部活動顧問を拒否することは職務違反ではないからです。
それでも拒否できないときは?
部活動を拒否できず、つらい教員に残された4つの方法
いくら校長に訴えても認められず、つらい思いをしている教員もいるはずです。
そんな状況から脱出したい教員に残された4つの方法はこちら↓
- 校長や管理職に訴え続ける
- 教職員組合に相談する
- 学校種別を変える
- 転職する
校長や管理職に訴え続ける
- 現状把握
- 記録を用いて説明
- 解決策の提案
- 対話の場を設ける
- 同僚のサポートを受ける
部活動で疲弊した心身の負担を、効果的に訴える方法です。
1つ目は現状把握です。
自身の業務量や負担を具体的に把握しましょう↓
- 週当たりの労働時間
- 授業以外の業務内容
- 部活指導に要する時間と頻度
- これらの業務による健康や家庭への影響
2つ目は、記録を用いた説明です。
感情的な主張よりもデータに基づく説明が効果的です↓
- 労働時間の記録
- 休日出勤や時間外労働の実績
- 健康診断の結果や医師の診断書
- 家庭やプライベートへの影響
3つ目は、解決策の提案です。
現状を訴えるだけでなく、具体的な解決策を伝えると、管理職から理解と協力を得やすくなります↓
- 部活数の縮小
- 外部指導者の導入
- 勤務時間の調整や業務の効率化
- 部活動の活動時間や頻度の見直し
- 部活動の指導者を複数教員で分担する
4つ目は、対話の場を設けることです。
以下のステップが効果的↓
- 面談のアポを取る
- 記録やデータをなどの資料を共有する
- 自分の意見を伝えた後に、管理職からの意見や提案を聞く
5つ目は、同僚からサポートを受けることです。
同じような負担を感じている教員が他にいる場合、その声をまとめて管理職に訴えることが効果的ですね。
問題の深刻さを理解してもらえるかもね!
教職員組合に相談する
組合のサポートを受ける
教職員組合は、教員の労働環境や職場環境の改善をサポートする組織です。
期待できるサポートはこちら↓
- 学校や教育委員会への交渉や調整
- 法的助言やサポート
- 他の教員との連携や支援の調整
- 労働環境の改善に向けた提案や指導
組合は発言力があるもんね。
学校種別を変える
特別支援学校へ
あなたの教育観や使命が他校種でも実現できるのなら、特別支援学校への異動もおすすめです。
特別支援学校ですと、中高での経験も活かせますし、2種免許の取得もカンタンです。
働く環境としても、給料面でも優遇されていると感じる点が多いですね↓
放送大学で必要な科目を修得するだけだよ!
転職する
新しいステージでの挑戦
部活動顧問の負担から解放されるために、転職を考えることも有効です。
- 自分のキャリアや人生観を見直す
- 転職市場をリサーチする
- スキルや経験を整理する
- 履歴書の作成
- 転職活動する
このステップで進むのが王道です。
私も登録している、おすすめの転職サイト↓
一人では不安な人には、転職エージェントがおすすめ↓
あなたに合った転職先や必要なことを丁寧にサポートしてくれますよ。
心強いね!
教員の部活動手当と給料は?負担大でやめたいときの拒否の仕方3選|まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます!
教員の部活動手当と給料は?負担大でやめたいときの拒否の仕方3選はいかがでしたか?
〈本日のまとめ〉
☑︎公立学校の教員には、時間外手当と休日手当はない
☑︎文科省が定める「部活動手当」があるが、自治体ごとに異なる
☑︎校長は超勤4項目以外の時間外業務を命ずることはできない(根拠:給特法)
☑︎部活が断れず辛いなら転職もあり
「部活動手当についてくわしく知れた。」
「部活動顧問を断るための方法が参考になった。」
「現状を変えるためにも、転職を視野に入れていきたい。」
などと、みなさんの思考や行動が変わりましたらうれしいです。
ご意見や感想などは、管理人のまめたのX(@mameta_design)までぜひお寄せください。
以上、教員まめたでした。
またお会いしましょう!