「円安って私たちの生活に影響あるの?」
「円安はまずい状況と知っているけど、何をしたらよいか分からない。」
「個人でできる対策や円安リスクを回避する方法はあるの?」
たしかに“円安“といわれても、パッと生活への影響や具体的な対策は浮かびませんよね。
普段、円通貨で生活しているので、危機感を持ちにくいのもよくわかります。
しかし、円安リスクは確かに存在します。
対策していないと、知らぬ間にあなたの大事な資産が目減りしてしまいますよ。
結論から言いますと、円安対策として個人が取るべき行動は、円以外の通貨を保有して資産バランスを整えることです。
こんにちは、教員のお金の話について発信中!現役教員FPのまめたといいます。
日本では円通貨があれば、一見普通に暮らしていけますよね。
ところが、食料品やガソリンなど多くの商品は、海外からの輸入に依存しているのが現状です。
JICA(国際協力機構)によると、日本の食料自給率はわずか38%と報告があります。すなわち半分以上が外国産というわけですね。
少し思い出してみてください。
スーパーで見かける卵や小麦製品、調味料の値段が以前より上がったと感じませんか?
食以外でも、iphone価格が以前よりも高くなったと感じませんか?
あなたの地域で、外国人旅行客をたくさん見かけませんか?
このように円安は、あなたの身近な生活に確実に影響をもたらしてます。
今回は、円安対策で個人が取るべき行動とNG行動とは?リスクを回避する資産運用について徹底解説。
以下の記事をお読みいただければ、円安と円高の仕組みだけでなく、円安にも負けない賢い資産運用のコツが理解できます。
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円安と円高をわかりやすく解説
円安とは
円の価値が下がっている状態(円安)
たとえば、1ドル100円→1ドル150円になったとします。
これまで2ドル(200円)で買えていたものも、実質300円出さないといけませんよね。
今、日本で食料品の値上げが相次いでいるのは、外国産の原材料を使った商品が多いためです。
原材料が高騰すれば、自ずと商品価格も上がりますからね。
円安の影響はこちら↓
- 海外製品が高くなる
→食品、ガソリン、旅行、家電など - 訪日外国人観光客が増える
→1ドルで多くの円と交換できるため - 輸出企業の業績が上がる
→商品を安く提供できるため
資産としても考えてみましょう。
〈円資産の場合〉
1ドル100円なら、貯金100万円の価値は10,000ドルです。
一方、1ドル150円なら、貯金100万円は6,666ドルの価値しかありません。
〈ドル資産の場合〉
1ドル100円なら、10ドル持っていれば1,000円です。
一方、1ドル150円なら、10ドル持っていれば1,500円です。
これが円安の真実です。
円資産は目減りするけど、ドル資産は増加するんだね!
円高とは
円の価値が上がっている状態
たとえば、1ドル100円→1ドル80円になったとします。
円高になると、これまで2ドル(200円)で買えていたものが、実質160円で買えてしまうのですね。
円高の影響はこちら↓
- 海外製品が安くなる
→食品、ガソリン、旅行、家電など - 訪日外国人観光客が減る
→1ドルで交換できる円が少ないため - 輸出企業の業績が下がる
→商品が高くなるため
資産としても考えてみましょう。
〈円資産の場合〉
1ドル100円なら、貯金100万円の価値は10,000ドルと同じです。
一方、1ドル80円なら、貯金100万円は12,500ドルの価値となります。
〈ドル資産の場合〉
1ドル100円なら、10ドルは1,000円です。
一方、1ドル80円なら、10ドルは800円です。
これが円高の真実です。
円資産は増加するけど、ドル資産は目減りするんだね!
2024年5月時点の円安の背景をわかりやすく解説
日米の金利差
日本はこれまで低金利による金融緩和を続けてきました。
一方、アメリカではインフレ(物価高)が進み、金融引き締めのため利上げが行われてきました。
手元にあるお金を日本とアメリカの銀行に預けるとした場合、あなたはどちらを選びますか?
- 低金利の日本
- 高金利のアメリカ
高金利の方かな!?
それが自然な回答ですよね!
同じお金を預けるにしても、金利の高い場所に置いて、少しでも多く利息を受け取れた方がうれしいですよね。
こうした日米間の金利差が、より円安を加速させている要因の1つです。
実際、4月26日の植田総裁(日銀)による金融政策決定会合では、
- 金融緩和の維持
- 利上げの可能性が低くなった
- 円安への対応に踏み込んだ発言がなかった
こうしたことが、円安を押し進める結果となりました。
一方、アメリカのインフレは根強く、消費者物価指数も高いことから利下げがされない見通しとされています。
こうした要因からも、日米間の金利差は今後も広がっていくと予想できますね。
金利差があるのは仕方ないけど、個人でできる対策はないの?
円安対策で個人が取るべき行動とNG行動とは?|リスクを回避する資産運用
円安対策で個人が取るべき行動
長期保有を前提とした積立投資で外貨を組み入れる
円資産だけもつのは、資産運用上あまり好ましくありません。
円安時に実質的な資産の目減りを引き起こすからです。
そこで重要なのが、様々な通貨や資産をバランスよく保有することです。
円以外の通貨を持つには、以下の方法が考えられます。
- 外貨預金/保険
- 外貨建て資産を買う
- FX取引
あなたに質問です。
これらの中で、最も有効な方法はどれだと思いますか?
正解は、外貨建て資産の購入です。
為替リスクはあるものの、多くの金利収入を得ることができるからです。
世界の共通通貨といえるドルを中心とした、株式や債券、不動産などをぜひ持ちましょう。
でも、どうやって?
とてもかんたんです。
米国株を含む投資信託をコツコツ買っていくだけです。
日本円でドルを買い、ドルで株式ファンドを買うことで、実質的にドルを保有できるというわけですね。
どんな株式ファンドを買ったらよいかわからないよ。
安心してください。
投資信託には、インデックスファンドという市場全体の動きに連動した成果を目指すものがあります。
- 米国の主要企業500銘柄を指数化したS&P500
- 新興企業(ハイテク企業・IT企業)銘柄を指数化したNASDAQ総合指数
- 成長性や知名度の高い主要企業30銘柄を指数化したNYダウ平均株価
これらをコツコツ買うことで、長期的な値上がりを期待しながらドルを中心とした外貨資産を増やしていけます。
でも、円安のときに外貨を買おうとすると、多くの円通貨が必要だよね?
そのとおりです。
ただ、為替リスクを最小化するために外貨を持つのは必要なことです。
なぜなら、円安がずっと続くのかそれともいつ円高になるのかは誰にも分からないからです。
たしかにそうだよね。
円安対策で個人がやってはいけないNG行動7選
投資を辞める/積立額を減らす
あなたが株式等に投資するのは、資産を増やす目的だけでなく、為替リスクに備えるためですよね?
もし円安を理由に投資を辞めたり、積立額を減らしてしまうと次のようなデメリットが生じます。
- 資産の成長スピードが鈍化
- リスク分散ができなくなる
- 相対的な資産価値が減る可能性
世界の名著「敗者のゲーム」の著者チャールズ・エリスも次のようにいっています。
市場タイミングに賭けてみようというのは「悪魔の囁き」だ。決して耳を傾けてはいけない。
歴史が証明しているね。
一括投資
「ほったらかし投資術(朝日新書)」の本でも、長期投資のコツは“市場がよいときも悪いときも淡々と購入して保有し続けること“と紹介されています。
あなたは、ドル・コスト平均法というインデックス投資の鉄則を知っていますか?
一定額を長期で分散投資することで、リスクを軽減しながら資産拡大をねらう王道のやり方です。
このやり方で投資し続けると、円安での資産成長と円高における保有口数の拡大の両方をねらうことができます。
そのため、円安不安から一括で購入するのは、円高の可能性を考慮していない行動といえますね。
市場に居続けながら、コツコツと購入していくことが大事なんだね!
円安を理由に必要なものを買わない
円安になると、海外製品が値上がりするのでしたね。
一番身近であなたも興味があるであろう、iPhoneを例に考えていきましょう。
上図からもわかるように、アメリカ価格はほとんど変わらない一方で、日本価格は円安により毎年上がっています。(円高時期も一部あり)
しかも、上がったまま値下げされていませんよね?(下方硬直性という)
こうした商品やサービスの価格特性を考えても、円安を理由に購入を先延ばしすることは、あまり適切ではありません。
常に今が安く、今が買い時なのでしょう。
私もiPadが今必要だから、悩まずに買うことにしたよ!
不要な利益確定
円安では、円よりもドルの価値が上がります。
そのため、あなたがドル資産を保有しているほど、全体的に資産が増えるでしょう。
ここで注意したいのが、理由なき利益確定です。
たしかにドルを円に交換すると、円資産が増えますよね。
しかし、そのまま保有し続ければ、複利の力でさらに資産を増やせる可能性が高いです。
現金が今すぐ必要でなければ、不要な利益確定はしないようにしましょう。
資産成長のチャンス逃しかねない行為であり、大変もったいないです。
長期的に考えていきたいね。
外貨建て預金/保険
「円安の今だからこそ、買い時ですよ!」
そんな常套文句で、保険マンや銀行営業マンがあなたに誘いかけてくるでしょう。
- 手数料をぼったくられる
- 金利差利益をぼったくられる
- 利益が出たら確定申告が必要
こうした理由から、外貨建て預金や保険は断るようにしましょう。
投資信託で十分です!
FX取引
FX取引では、円安時に逆張りという以下の方法で利益をねらう人がいます。
- 上がっていない資産を買う
- 上がっている資産を空売りする
どちらもタイミングをねらった投機であり、投資ではありません。
お金の知識と経験がない人は、99.9%損するのでやめましょう。
素人には難しそうだしね。
繰上げ返済
円安時に、繰上げ返済をやってはいけない理由は以下のとおりです。
- 団体信用生命保険がなくなるから
- 住宅ローン控除の恩恵が減るから
- 手元の現金が減り、資産運用に回せなくなるから
低金利の住宅ローンのメリットを活かすためにも、急いで繰上げ返済はする必要はないでしょう。
円安対策で個人が取るべき行動とNG行動とは?リスクを回避する資産運用|まとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
円安対策で個人が取るべき行動とNG行動とは?|リスクを回避する資産運用はいかがでしたか?
「自分がするべきことが見えた!」
「円資産しか持っていなかったので、外貨も取り入れていこう!」
「焦って一括投資するところだった!」
などと、みなさんの思考や行動が変わりましたらうれしいです。
ご意見や感想などは、管理人のまめたのX(@mameta_design)までぜひお寄せください。
以上、教員まめたでした。またお会いしましょう!